オリジナルな起業戦略を、7つの視点の組み合わせにより創造する方法とは?!小資本起業戦略の「暗号」を解け!
小資本起業戦略の暗号を解け!小資本ビジネスモデルは7つの視点から自在に創造できる!!
 
TOP > ちょっといい話! > マイクロソフト社の電話応対ノウハウ!問題解決+3回期待を上回る提案で、「クレーム」から一気に「感動」に!!

マイクロソフト社の電話応対ノウハウ!問題解決+3回期待を上回る提案で、「クレーム」から一気に「感動」に!!

■父が還暦を迎えるにあたっての企み

 今年5月に、私の父が還暦を迎えました。60歳の誕生日までは、あと少し日を残していたある日、少し早めに、お祝いをしに、栃木の実家に帰って来ました。

 どうするのが一番喜ぶだろうかと、前々から妻とは話し合っていたのですが、結局、実行したのは、このようなものでした。

 直前になって、母に、突然、還暦のお祝いで帰ることを電話で伝える。もちろん、母にはそのことは父には話さないでおいて欲しいとお願いする。
 そして、妻と一緒に突然、実家に大き目の花束とプレゼントとケーキを持って押しかけて、「おめでとう!」というものです。

 アメリカでは、結婚前の儀式(?)として、友達がそんなことをしてくれるようですけれど、それの還暦バージョン(?)ってところでしょうか?

 実は、私の本業の教育事業の関係で、実家に帰ることも多かったのです。でも、ほぼ軌道に乗った関係で、ここ最近はほとんど帰っておらず、もう2度と戻って来ないのではないのか、という雰囲気さえ漂っていたようなのです。
 それを、効果的に活用したようなものですね!


■感動発生のメカニズムとは?

 父の驚いた顔ったら、なかったですね! そりゃ、遠くにいるはずの息子が、いきなりなんの連絡も無しに、一緒に現れたら、それだけでもびっくりするものでしょうからね。
 通常、仕事で帰るときには、私一人なのに、この日は、しかも私の妻も一緒。「一体、何が起こったのだっ!」という、最初の表情は見物でした。

 結果、父がどこまで期待していたのかは分かりませんが、表情から察するに、喜んでくれていたようで、私も、ほっと一息つくことができました。


 帰りの電車の中では、母が包んでくれた煮物とおこわを食べました。帰省したときには、いつも食べるような当たり前のもの。しかし、今回は、一つ口に入れるたびに、味が心にまで一気に染み渡る不思議な思いでした。
 タケノコ一つに、あんなにたくさんの味と思い出が含まれていることに気づいたのは、恐らくこの日が生まれて初めてだったでしょう。

 思わず涙が出そうになるのをこらえながら、妻に表情を見られないように隠しつつ、必死で食べ続けていました。
 父の還暦を迎えて、私の中でも一つ大きく、これまでの「家族」に対する見方、感謝の気持ちも、急に変わったことに気づかされた瞬間でした。

 よく言われますように、期待を大きく上回ったときに「感動」とは生まれるものでしょう。 妻と私は、上手く父の期待を超える企みを成功させ、無事、父に喜んでもらうことができました。
 本当はそれで、ひとまず、今回のイベントは、「THE END」のはずでしたが、その結果、私が得たものは、ずっと悩んでいた「家族観」についての答えの一部だったのです。

 これは、もちろん、私にとって全く期待していなかったこと。私にとっても、感動の一日でした。


■Microsoft Moneyで、どうしても解決できない問題が…

 さて、ここからようやく本題に入ってゆきます!(笑)

 「期待を大幅に超えることによって感動が生まれる」ということは、多くの方が、当たり前であるかのように、ご理解されているかもしれませんね。

 でも、実際、経営という場面において、自らそれを実践しようと思うと、具体的なアクションが見えないという方も多いのではないでしょうか?
 私自身も、実際そうです。だからこそ、日常の中で、感動する場面があると、ここぞとばかりに思わず分析してしまうのです。(笑)

 実は、最近、身をもって貴重な体験をすることができました。
 それは、Microsoft Moneyでどうしても解決できないトラブルが起こった際の出来事です。

 考えてみると、Microsoft社の製品は、かれこれ15年以上も使っていながらも、電話で問い合わせたのは初めてでした。

 電話をかける前の私の心境といれば、問題が解決しなくて、イライラのピーク。「もう、この商品は、二度と買うものか?!」状態。

 そして電話をダイヤル。すると、毎度おなじみの、「〜でお問い合わせの方は、何番を押してください…」のコールです。1分かけて一通り聞いたものの、自分が問い合わせようとしているものの番号は一つもなく、更にブチキレ状態に。もう一度かけ直し、開き直って適当なところで、ボタンを選択。

 そうこうするうちに、やっとのことでオペレータにつながりました。

 そして、キレそうになるのをおさえながら、症状を話しました。こちらが話す際の相づちの打ち方や、こちらが話し始めた瞬間に、自分が話すのをやめるといった対応など、プロフェッショナルな印象…。


■解決策の提示のタイミングが絶妙!

 そして、言いたいことを言って少しすっきりした後に、絶妙のタイミングで、「実は、そういうことお問い合わせが割とあるんですよね。〜の画面で、〜すればすぐに解決しますよ。」という解決策の提示。

 恐らく、このタイミングが、もっと早かったとしたら、「お前は、話も聞かずに、ほんとにそんなことが分かるのか?!」という怒りモードに再び入っていたことでしょう。

 ではなく、ここまで話せばきっと現状をつかんでもらえただろうという安心感を感じた後の解決策提示だったからこそ、「なるほど、それをやれば解決しそうだ」と思ったことでしょう。


 ひとまず、私はここで、満足しました。ああ、電話もかけてみるものだなあと。

 しかし、そのオペレータの本領は、なんと、その後から発揮されたのです!


■マイクロソフト社からの3連続スーパー攻撃!

 まず、最初に来たのは、

「もう既にお分かりと思いますが、電話を切られた後に再び操作にお悩みになられますと、もう一度、電話頂くことになってしまいます。それではまたご面倒だと思います。解決内容を、E-mailでお届けすることもできますが、ご希望されますか?」

という提案。「おー、悪いですね〜。気が利きますね〜。」という心境です。

 お願いすると、今度は、

「今日から90日間、何度でも無料で相談頂けます。どんな小さいことでもお電話くださいね。でも、もう一度、別のオペレータに同じことを話すのはイヤでしょうね? なので、この問い合わせ番号を言って頂ければ、すぐに私につながりますから、ご安心ください。仮に私がいなくても、この番号があれば、何の話なのか誰でも分かるようになっていますよ。」と。

 私の気持ちとしては、「ああ、それは助かる。本当に、電話かけるときの面倒な気持ちを、分かってくれるのだなあ。有り難う!」という感動に。

 そして、これでは終わりませんでした。

「本日、お電話頂く際には、電話はかかりやすかったですか?次にかけるときは、03-xxxx-xxxxのあとに、何もメッセージを聞かずに、3,1の順番で押してくださいね。そうすると、10秒も待たずにつながりますよ。」と。

 ここで、私の感動はピークに。「マイクロソフトさん、大好き!」という気持ちになっていました。

 ちなみに、そのオペレータは、男性ですから、変な誤解しないでくださいね。今、近くに妻もいることですし…。(笑)


■3段階攻撃は計算されたもの?!

 では、ここまでを、もう一度、整理してみましょう。

-2) 電話をかける前。かなりイライラ。■状態…不満

-1) 、電話につながるまでの間。なかなか、オペレータにたどりつけず、イライラのピークに。■状態…超不満

0) まずは、私の困っている問題を解決。私が怒り狂っている状態ですから、これは、最低限必要なことですね。解決して、私はようやく中立の状態に戻りました。■状態…中立

1) その後に、「この内容を、E-mailでお届けすることもできますが、ご希望されますか?」という、単に解決策を提示する以上の提案。
 このときの気持ちは、「えっ、いいの。悪いね〜」■状態…ちょっと気になる存在

2) 続いて、「90日間、何度でもおかけください。その際に、もう一度、同じことを話すのはイヤでしょうね? なので、この番号を言って頂ければ、すぐに私につながるから、遠慮なくどうぞ。」
 私の気持ちは、「わー、有り難う。よく私の今の気持ちが分かりますね。すごく有り難いです!」■状態…満足

3) さらに「電話はかかりやすかったですか? 次にかけるときは、03-xxxx-xxxxのあとに、3,1と押してくださいね。そうすれば、10秒もしないうちにつながりますから。」と。
 私の気持ちは、「大好き!」■状態…感動

 意識して、分かり易く、各段階で加算されたポイントとして、-2から3の番号を振ってみました。
 各段階で加算されたポイントを全部合計してみると

               −2−1+0+1+2+3=1

と正数になっています。
 これこそ、期待を超えたということでしょうか?! ちなみに、私が最初に感じたトラブルは、解決されて当たり前のこと。単に、解決策が見えただけだったら、つまり、ゼロどまりだったら、

               −2−1+0=−3

ですね。結果として、私がソフトでトラブルを経験した分、あと、電話をかけたときに感じた不満によって、トータルでマイナスだったわけです。

 しかし、今回の電話応対で、+1+2+3が加わり、

               −2−1+0+1+2+3=1

と、プラスに転じたわけですね。(この、数字のつけかた、計算方法は、説明を分かり易くするために、便宜的につけたものです。)


■実際、自分としてはどこまでできている?!

 クレーム対応が終わった後の、3段階にわたる提案! どこまで計算されたものかは分かりませんが(まさか、上の方程式がウラにあるとしたらすごい!)、感動を与える対応をしているマイクロソフトのすごさを、再認識した瞬間でした。

 何しろ、最高のイライラから、たった5分たらずで、感動に変わったわけですから!!
 また、改めて、期待を超えて感動を生むということは、大変な努力が要求されるものなのだと思いました。

 私も、昔、インバウンド型コールセンター(インバウンドとは問い合わせを受ける形式のこと。逆に、こちらからかける場合は、「アウトバウンド」と言います)のマニュアル、コールセンターのスーパーバイザー向けのマニュアルを、半年間かけて書いたことがありますが、今回のマイクロソフトのノウハウは、さすがに盛り込めていませんでしたね…。

 思わぬところに、参考になる事例というものは潜んでいるものです。上記の例も、実際に、ご自身で体験してみると、もっと感動頂けるのではないかと思います!これ、オススメです!!

 さて、自身の身に置き換えてみたときに、上記のようなクレーム対応はどこまでできているでしょうか? 顧客の問題を解決した後に、どの段階まで、顧客の期待を超える提案が出来ているでしょうか?

 私も、もう一度、振り返って見たいと思いました!



 
 
 
 
Copyright 2004(C) Research Institute for Instructive Information Industrialization.All Rights Reserved.